2024年9月15日 日曜日 晴れ
7月20日ごろに高田梅の収穫、それからスモモ（ソルダム）、プラムやアンズ、モモなど三々五々と収穫してきて、今日は最後のモモを収穫。樹上で完熟してモモの香りを嗅ぐことができれば収穫適期。
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さて、これから先は、リンゴやナシの収穫が巡ってくる。
今年はウサギ害のために、ほとんどのリンゴ苗がリ・スタート（リブート）となってしまったが、わずかにウサギの齧歯から免れることのできた樹からいくつかの収穫ができそうだ。それが去年の秋との大きな違い。去年は、7月に防除作業を怠ったので、8月早々に収穫できる早生ブラムリーをのぞいて、すべての実にムシが入ってしまい、文字通り収穫皆無だったのだ。ことしは、7月の防除をとても叮嚀に行った・・今年こそは何とかして、リンゴ・ナシを収穫したいという念いがあった。そういう意味では、今シーズンは果樹に関して大きな進歩の得られた年かもしれない。
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当園では、梅やモモの仲間として、残っているのはアーモンドの実、多数。杏仁の香りは、独特で、感動なのだけれど、炒ってしまうと杏仁の香りが失われてただの木の実（ナッツ）になってしまうのは残念だ。それだけに自分で育てて生のアーモンドを味わうことができることは、栽培者の秋の幸せな杏仁体験。
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今年は、桃夭（とうよう）という名の桃苗も2本新植した。
イシドウさんのホームページカタログhttp://www.ishidou.jp/peach/toyo.html によると・・
※桃夭は中国最古の詩経に収められている、若々しい桃の木を、
たいせつに育てた娘にたとえ、嫁ぎ行く娘とその家庭の幸せを祈る
親の思いが込められた詩です。
この桃は糖度が高く、日持性にずばぬけ、豊産性で記念樹等にも
向くことからこの名を冠しました。・・とのこと。
桃之夭夭・・私の覚えている数少ない詩経のフレーズ。桃夭のそばを通り過ぎるたびに、私の畑では、いつも「桃之夭夭 灼灼其華」を思い出すのである。
文学編・思い出編：
桃之夭夭 灼灼其華
之子于帰 宜其室家
桃之夭夭 有蕡其実
之子于帰 宜其家室
桃之夭夭 其葉蓁蓁
之子于帰 宜其家人
そして我が国では・・
春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ少女
ヒバリの子供たちを毎年数多く産出する（巣立ちしていく）我が圃場では、家持と言えば、・・絶唱、家持春愁三首なのである。
春の野に霞たなびきうら悲しこの夕影に鶯鳴くも（巻十九、四二九〇）
我がやどのいささ群竹吹く風の音のかそけきこの夕べかも（四二九一）
うらうらに照れる春日にひばりあがり情（こころ）悲しも獨りし思へば（四二九二）
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うらうらに照れる春日にひばり上がり心悲しも独りし思へば
宇良宇良尒照流春日尒比婆理安我里情悲毛比登里志於母倍婆
春日遅々鶬鶊正啼。天平勝宝5年(西暦753年)2月25日。
上記のブログから以下、再掲：
・・・しかしここにあるものは、単なる抒情ではない。絶望に近い、虚脱の心境であろうと私は思う。頼むものがすべて失われたときの、あの無力感である。（白川、同書、p307）
「うらうらに」について、「（茂吉の）秀歌」下に、「独居沈思の態度はすでに支那の詩のおもかげでもあり、仏教的静観の趣きでもある」とあるが、雲の中に姿を没して、身をふるわせて啼くものは、彼自身の姿ではないか。それは狂おしいほどの、自己投棄の歌ではないか。これほど没入的に、自己表象をなしとげた歌は、中国にも容易に見当たらないように思う。 家持はこれより以後、また長い沈黙に入る。（白川、同書、p307-8）
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春5月、午後の陽射しを浴びていたモモの花。花でいっぱいになるモモの姿は壮観だった。
手前の2本はウサギ害を受けたリンゴの樹。6月には新たに芽吹いて復活スタート。
夭（よう） – 「夭」とは「若い」という意味。
「華」は結婚のときに美しく着飾った娘を示し、「実」は娘が生んだ子どもを示し（娘の発育を示すという説もある）、そして「葉」はその後の子孫の繁栄を示している、とのこと。（https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E5%8F%A4%E6%96%87/%E6%BC%A2%E8%A9%A9/%E6%A1%83%E5%A4%AD より）
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