令和7年5月9日 金曜日 晴れ
明日が雨降りの予報とのことで、今日は清舞150本と山幸300本、池田町からの苗木の新植を行った。つい先日、杭打ち機が壊れてしまって修理にだしているところ。よって、仕方なく、臨時に目印として(中柱設置予定の位置に)イボ竹ポールを手差ししての苗植え付け作業となった。
今朝は寒々とした鬱陶しい空模様、気温も低くて10℃・・だったので、これは苗植え日和としては最高と喜んでいたのに、すぐにカンカン照りの陽射しとなり、ブドウ新植にとっては運の悪い巡り合わせとなった。300リットルの水のタンクで何回も水を運び、バケツで水をたっぷりとかけてやった。うまく根づいて芽をだしてくれますように。

山幸彦のお嫁さんは?
竜宮城(海神の宮)に住んでいたお姫様。(「古事記」を読みましょう。山幸彦のお嫁さんは、海の神である豊玉彦の娘である豊玉姫(トヨタマヒメ)です。妻の豊玉姫は子供を産み、それが鵜草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)であり、山幸彦は神武天皇の祖父にあたります。)
太宰の「浦島さん」が訪ねた竜宮城のお姫様は? 歓迎していただいたものの・・ひとのことばで話しかけては下さらない・・そして帰りの乗り物の亀さんは終始無言で・・「忘却は人間の救いである」へと繋がる。
以下引用https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/307_14909.html:
何だか見当のつかぬ可憐な、たよりない、けれども陸上では聞く事の出来ぬ気高い凄しさが、その底に流れてゐる。
「不思議な曲ですね。あれは、何といふ曲ですか。」
亀もちよつと耳をすまして聞いて、
「聖諦。」と一言、答へた。
「せいてい?」
「神聖の聖の字に、あきらめ。」
「ああ、さう、聖諦。」と呟いて浦島は、はじめて海の底の竜宮の生活に、自分たちの趣味と段違ひの崇高なものを感得した。
(中略)
あのかたは、何も孤独ぢやありませんよ。平気なものです。野心があるから、孤独なんて事を気に病むので、他の世界の事なんかてんで問題にしてなかつたら、百年千年ひとりでゐたつて楽なものです。それこそ、れいの批評が気にならない者にとつてはね。
(中略)
貝殻の底には、何も残つてゐなくたつていい。そんなものは問題でないのだ。曰く、
年月は、人間の救ひである。
忘却は、人間の救ひである。
竜宮の高貴なもてなしも、この素張らしいお土産に依つて、まさに最高潮に達した観がある。思ひ出は、遠くへだたるほど美しいといふではないか。しかも、その三百年の招来をさへ、浦島自身の気分にゆだねた。ここに到つても、浦島は、乙姫から無限の許可を得てゐたのである。淋しくなかつたら、浦島は、貝殻をあけて見るやうな事はしないだらう。どう仕様も無く、この貝殻一つに救ひを求めた時には、あけるかも知れない。あけたら、たちまち三百年の年月と、忘却である。これ以上の説明はよさう。日本のお伽噺には、このやうな深い慈悲がある。
浦島は、それから十年、幸福な老人として生きたといふ。
<引用終わり>
私には、この「それから十年、幸福な老人として生きたといふ」・・この一句が心に沁みるのです。私たちもまた今日から、十年、幸福な人として生きたいと・・。
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池田町の「山幸」は、私たちのご先祖の山幸彦とは偶然の同名一致かとも思われます・・けれども、この日本列島で生まれて育ったもの同士、やっぱりご先祖ゆかりの葡萄と思いたいもの。今日の山幸(と山幸彦の子孫の私たちに)幸あれ! と祈りながら、450本の植樹を行いましょう!
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10年前に達布の畑でブドウ苗を植え付けたときには、こんな優しいお花の雑草など全く見られなかった。10年の歳月を経て、我が達布の畑はしっとりとした草草が元気よく育ち始めている。対照的に、こちらの峰延の畑では最初から私好みのくさ達も育っていて、微笑ましく、ありがたい。
学名 Veronica persica ・・私は昔、油絵の具を使うのを習い始めた頃、「コ○○○ブルー」と名付けていたけれど、今にして思うとコ○○○ブルーにしてはやや色相が淡いようで、今となっては、全くおぼつかなく、気恥ずかしい。
Veronica persica は、オオバコ科クワガタソウ属の越年草。別名「星の瞳」ともよばれるとのこと。星の瞳とは素敵な呼び名。子どものころから好きな花だけれど、これからは 星の瞳 ojos como estrellas (あるいは ojos de estrellas)と呼ぼうかしらん。この青い花を見るたびに幼かった昔を思い出すから、そして子どもの頃からの友を思い出すから、そして Juan Ramón Jiménez の星の詩を暗唱していた二十の頃を思い出すから。¿Sois ojos de amigos muertos?
「星の瞳」を見るたびにMT氏の情緒に乏しい和名の命名に恨み言を述べたくなる私であったが、そろそろ過去の過ちは過去の経過地点として通過して、私の老い先では、前向きに自分で勝手に名前をつけよう。
ところで、AIでは簡単に以下のことを教えてくれる: Veronica persica の英語名は、Persian speedwell, Large field speedwell, Bird’s-eyeなどです. 別名として、天人唐草、瑠璃唐草、星の瞳などが挙げられます. とのこと。さらに、AIに聞くと、「speedwell」は、広義にはゴマノハグサ科クワガタソウ属の植物の総称であり、狭義にはタチイヌフグリを指します。特に、タチイヌフグリはヨーロッパ、アジア、アフリカに分布する薬草または雑草で、小さな青い花を付けます、とのこと。
このようにして、安易にAIで調べてしまうと、自分で名前を付ける楽しみが損なわれる。なので、前世紀の生まれを言い訳にして、私はできるだけAIに干渉されない命名法を採用することにする。
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