菜園日誌

水捌け改善を目的に、ブドウ畑の基盤整備を行いました。

2021年5月17日 月曜日 雨のち曇り

当園では、2021年の4月下旬、地元のT運輸建設さんにお願いして、圃場の周囲に明渠を掘っていただきました。ブドウ畑の水捌け改善が目的です。

圃場の東側・最北端に深さ〜2メートル以上の大明渠。ここには水がこんこんといつまで経っても湧いてきます。水捌け改善にはこの明渠の働きがキーになるかも知れません。

暗渠を2015年の秋に設置しました。深さは地面から80cmのところ。しかしながら、この暗渠口からは水がでてきません。この位置にこの深さでは全く効かなかったでしょう。

今まで葦野が原となっていた場所は整地されて土塁風に。明渠で距てられて、現在は陸の孤島状体となりました。明渠で水が排水されてしまう結果、この葦の原が乾燥地になって、将来的にはジャガイモなどが作れる畑になる可能性もあります。

地面を掘ったことで、地下の様子、つまり、水の流れてきて流れていく道が観察できます。

既に明渠の一隅は壊れかけています。10年以内にまた掘り直しか? (バックホーがあれば、自分でこまめに修繕しておきたいところですが・・・。)

断崖では、地層が観察できてとても面白いのです。

小さな畑のたった数メートルの深さの断崖ですから、ジオパーク1億年の旅とまでは行きません。が、10万年ほどの土や石ころや山(そしてもともとの川や海)の歴史に思いを馳せることができます。

今後は、わが農園の観光名所のひとつになるかもしれません。高校の理科の授業で何年間か「地学」をみっちりと学んだという家人にガイドを任せています。(私は高校時代、主に物理や化学を勉強したので、土の色と酸化第一鉄・酸化第二鉄などのお話をしたりしています。) こまかい礫が角の取れた綺麗な小さな石ころであること(つまり、川や海岸の石だったこと)に長い自然歴史のロマンを感じます。

カラッカラに乾いている地面とその下層の水が沁みだしてきている礫層との境界がくっきりと観察できます。

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川内の丘から私たちのブドウ畑を遠望:

今回の基盤整備では、四周に明渠を掘った土を利用して、東西の圃場を距てていた明渠(〜220メートル)を埋め戻し、一枚の畑にしました。風景としてはこの方がすっきりします。水捌けという点からは、これから多くの改善を試みなければならないでしょう。特に、縦穴暗渠を設置することを中心にトライしてみたいと考えております。(縦穴暗渠については、「現代農業」誌の記事、たとえば2021年3月号などをご参照下さい。この春、私たちも水捌けの悪いブドウ畝の脇に縦穴暗渠を何十個か掘って、その効果をモニターしているところです。)

滝沢ワイナリーさんから私たちの畑を遠望した風景です。

畑にはモミガラをいっぱい撒きました(重労働)。

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