2024年5月4日 土曜日 晴れ
天気予報によると、6日が雨。それも一日中。予てから今日は圃場にブドウ垣根の隅柱を設置する予定であったが、急遽予定変更し、4日5日の2日間で、ソーヴィニョンブランなどのヴィニフェラ系の苗を定植することとした。
本社家屋の保冷庫にしまって置いた苗の箱を輸送し、軽トラに300リットルタンクを固定し、水を入れて準備。剣先シャベル、バケツ、その他を準備して圃場へ。ソーヴィニョンブラン400本、アルモノワール151本、セミヨン20本、計571本を植え付け。植付け法は、いわゆる余市植えの当園(=豪雪地帯)改変法。今回は、ロータリーがけなどの結果ゴロゴロの土の塊ができてしまう情けない土の状態の畑に適用すべく改良した新版で・・以下の通り:
240504ブドウ植付けのコツ(空知地区のような豪雪地帯の場合):
<註:豪雪地域でなければ、この方法は当て嵌まりません。>
参考: 私たちのブドウ畑の「枯死」の原因ランキング
1.積雪による折れや裂け
2.コウモリガ被害
3.凍害・遅霜(雪の少ない冬の凍害);
① 品種によって差がある シャインマスカット・巨峰系(巨峰・紫玉・高墨)など>SB>バッカス>PN>シャルドネ>ヤマブドウ系(山幸など)の順に凍害・遅霜の被害を受けやすい;
② 若苗の場合、前年の登熟不良;
③ 根頭癌腫症 crown gall;など
4.ウサギ・ラットの食害による事故死(特に冬の終わりごろ〜春先)
5.旱魃
6.畑局所の水捌け不全による生育不全→枯死
7.苗木の質(苗木の接合不全・発根不良・登熟不良など)
8.その他
積雪による折れが一番多い枯死の原因。枝の仕立て方の工夫で、大雪・深積雪の年でも折れにくい樹形に整えていくことが、育て方のポイント。とはいえ、最初の植え方が最も大切! → 最初の植え方の工夫で、積雪による折れをある程度は予防できる。コツは浅植え・寝かせ植え。
○ 1.根はできるだけ拡げて。根はできるだけ深く。
◎ 2.(台木の幹を)浅植えに!
○ 3.寝かせ植え(谷側に向かって)
○ 4.谷側の土を少しだけ穿って、幹を寝かせる。
○ 5.灌水。灌水するとともに、苗の根元を踏んで、根と土とを馴染ませる。(今回の植付けに際して、新採用の方法)
● 根を乾かさないように注意。バケツの水、濡れた布などで。
● 株間1.5m 支柱の間隔は6m よって苗は支柱から0.75、2.25、3.75、5.25mのところに植える。1.5mのポールを使って簡便に計測。
● 支柱の並びのライン上に植える。(ずれていると、管理がむずかしく、特に草刈りの時に傷つけやすくなる。)
● 水やりについて: 今年、スピードスプレイヤーの水タンクで、ブドウ苗の根元に水やり(2〜3リットル/本)を行う予定。同時に、根元を踏んで根と土とを馴染ませる(今回の植付けに新採用)。
以上。
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今日は、水遣りも含めて、夜の20:00までかかり、すっかり昏くなってしまった。
昨年の新植では、ウサ害が酷く、百数十本もの苗がダメになってしまった。今回はL氏が頑張り、ネトロンシートの筒を施して、ウサ害ゼロを目指した。
意地悪小悪魔のウサギのせいで、L氏がどんどん立派な農業者に成長して行くのが微笑ましい。今年は一本たりともウサギに喰わせない、という強い意志が感じられる。
私自身は、今から2600年よりももっと前、大国主命がもう少し残酷で、ウサ勢力を圧迫してくれていたら去年今年の春のような悲惨な被害を被らずにすんだものを・・と昔の神さまに恨み言をブツブツ呟くぐらいで、今現在の敵に対して何の有効な悪知恵も湧いてこない自分を恥じている状況である。
それでも571本すべてのブドウにネトロンシートの筒を掛け終え、水をたっぷり与えてからの踏みつけもしっかり行い、何とか今日の作業を終えたのであった。
ワインの発送業務にまで手が回っていないのは気掛かりであるが・・明日もブドウ苗の新植に取り組む予定。
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